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中古ヘリコプター 現役

中古ヘリコプター投資の仕組み・期間・キャッシュフロー・PLへの効果。3,960万円を1年で償却し2年後に売る

中古ヘリコプターを買って運航会社にリースし、2〜3年後に売却する。法定耐用年数5年の中古機を簡便法で2年とし、定率法で初年度に全額を償却する最も古い型の短期償却商材。業者の事例では2年で回収110%。器が共有持分なら金商法の論点が出る。

査定サマリー
総合判定B-
税務
低
中古資産の簡便法。経営強化税制は使わない
商品
要検証
売却価格と運航会社の稼働
業者
可
運航事業者が売る型は実態がある。共有の器と登録は要確認
出口
要検証
2〜3年後の機体売却。市場は薄い
結論。税務の論点は少なく、リスクは機体の売却価格と運航会社の信用に集中する。共同購入の持分が有価証券に当たる設計なら、募集する側の金融商品取引業の登録を確認する。

中古ヘリコプターは、経営強化税制を使わない。だから令和5年度や令和7年度の改正の影響を受けていない。使うのは中古資産の耐用年数の簡便法で、これは中古トラックやキャンピングカーと同じ、最も古い型の短期償却である。違いは金額の大きさと、器が「共同購入」になることが多い点にある。

仕組み

法人が中古のヘリコプター(Robinson R44、AS350など)を買う。1機4,000万円から1億円。買った機体を運航会社にリースし、運航会社は遊覧、訓練、報道、物資輸送に使ってリース料を払う。2〜3年後に機体を売却し、投資家はリース料と売却代金を受け取る。

1機を買えない法人向けに、500万円から参加できる共同購入の型がある。複数の法人が1機を共有し、出資割合に応じて損益を取り込む。この型を売っているのは、自社で運航事業を営む航空会社で、リース先も自社である。売り手と運航会社と借り手が同じ会社になる。

税務は中古資産の耐用年数の簡便法による。ヘリコプターの法定耐用年数は5年で、5年を全部経過した中古機は簡便法で2年になる。耐用年数2年の定率法の償却率は1.000なので、期首に取得すれば初年度に全額を償却する。期中取得なら月割で、残りは翌年に落ちる。

期間

2〜3年で売却する設計が多い。機体は寿命が長く、20年以上飛ぶので、2年後の売却価格は買値の8〜9割が業者の事例である。売却先は運航会社自身か、その紹介先になる。売却に3〜6か月かかると業者は書く。

キャッシュフロー

Robinson R44相当を3,960万円で購入、リース収入が2年で931万円、2年後に3,438万円で売却(回収110%)という業者の事例。期首取得で初年度に全額償却。実効税率33%。単位は万円。

年 投資・売却 分配・収入 損金(−)/益金(+) 税効果 税引後CF 累計
0年目 ▲3,960 0 0 0 ▲3,960 ▲3,960
1年目 0 +466 ▲3,494 +1,153 +1,619 ▲2,341
2年目(リース+売却) +3,438 +465 +3,903 ▲1,288 +2,615 +274
合計 ▲522 +931 +409 ▲135 +274

数値は第三者の体験談サイトに掲載された業者事例(機種・金額・回収率)。どの販売会社の商品かは非公開で、特定の会社の実績ではない。

税引前409万円の上乗せが、税引後で274万円。2年で回収110%は年率5%相当で、税引後では3.4%程度。初年度に1,153万円の税が減り、2年目に売却益で1,288万円を払う。損金3,960万円と益金4,369万円の差が409万円で、税効果の合計▲135万円はその33%に等しい。

この商材の特徴は、繰延べの期間が2年と短いことにある。オペリースの10年、コインランドリーの10年と比べると、税を前借りする期間が短い分、繰延べの価値も小さい。代わりに資金の拘束も短い。

PLへの効果

初年度のPLに減価償却費3,960万円が立つ。本業の利益がそれ以下なら赤字決算になり、この点はオペリースと同じ。2年目は売却益3,438万円が特別利益または営業外収益として立ち、前年の赤字を一気に埋める。2年間で見れば利益は409万円で、繰延べは1年である。

保険の解約返戻金や不動産の売却益が出た年に、翌年の退職金とぶつけるための1年の繰延べ、という使い方が最も素直である。売り手が保険代理店向けのセミナーでこの商材を売っているのは、保険の出口として位置づけているからである。

査定

税務の論点は少ない。簡便法は制度として確立し、封じられた商材の除外条項は経営強化税制と少額減価償却の話で、ここには及ばない。ただし「貸付けの用に供する資産」を法人が持つ構造は、ドローン・足場と同じ「貸して損金だけ取る」型で、次の改正で狙われる可能性は残る。

商品の論点は売却価格と運航会社にある。回収110%は、売却価格が買値の87%で決まったから成り立つ数字で、機体の状態、飛行時間、事故歴、市場の需要で動く。運航会社が傾けばリース料が止まり、機体は運航会社の格納庫にある。法律事務所は、航空法上の「航空機使用事業」の許可との関係、契約の一方的解除、処分価格の不当性を論点として挙げている。

器の論点もある。共同購入で出資割合に応じて損益を取り込む設計は、実質が匿名組合や任意組合なら金融商品取引法の対象になりうる。販売する航空会社に金融商品取引業の登録があるかは、公開資料では確認できていない。

組成側の視点

ヘリコプターは、売り手が本業の運航事業者であることが、他の商材と決定的に違う。機体は本当にあり、本当に飛び、リース料は本当に運航収入から払われる。だからこそ、売り手が「売る側」「借りる側」「買い戻す側」を全部兼ねる構造になる。買値も、リース料も、売却価格も、同じ会社が決める。回収110%は、その会社が110%になるように決めた数字だと考えて読む。

買ってよい法人、買ってはいけない法人

翌年に大きな損金(退職金、修繕)が予定されていて、1年だけ課税を送りたい法人には、2年拘束の繰延べとして成立する。売却価格の下振れ(買値の7割になれば税引前で赤字)を受け止められる資金余力が要る。共同購入の型では、募集する側の登録を確認できない案件は見送る。

出典
  1. 国税庁 タックスアンサー No.5404 中古資産の耐用年数
  2. 岩崎総合法律事務所 航空機投資に関する法的論点
  3. 節税DD 税制改正の歴史「節税保険」(保険の出口として売られる構造)
関連する語: ヘリコプター 節税 仕組み/中古ヘリコプター 投資 減価償却/ヘリコプター 1年償却 定率法/ヘリコプター リース 節税 キャッシュフロー/中古航空機 耐用年数 2年/ヘリコプター 共同購入 節税
本記事は制度と商品の仕組みを一般的に解説するもので、特定の商品の購入を勧誘するものではありません。即時償却は課税の繰延べであり、税額が必ず減るものではありません。個別の税務判断は税理士にご相談ください。